大学評価・学位研究
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ドイツとヨーロッパにおける高等教育への資金交付
―公的交付の業績連動モデルと学内の資源配分―
ツィーゲレ フランクモルトホルスト リザ竹中 亨
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ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: 2022.23002

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抄録

ニュー・パブリック・マネジメントの論理に基づいた,大学に対する成果連動配分はヨーロッパ内外で盛行しつつある。成果連動モデルは,政府から大学への資金配分と大学内部での資金配分の双方に用いられる。この新たな配分法の根拠を理解するには,伝統的な,増分主義と項目会計による配分の欠陥を明らかにする必要がある。一括交付と三本柱モデルは,大学への資金配分モデルにとっての枠組み的なコンセプトとなるものである。この枠組みの中で,算定式配分,目標協定,競争的資金などのツールが用いられる。これらのツールをどう組合せるかで,ドイツでは州による資金交付について3つの型があり,ヨーロッパではさらに若干の交付傾向がある。たとえば,増分主義と成果連動を組み合わせるモデルでは,資金配分のうえで指標に大きな力点を置くことも,あるいは目標協定に見られるような交渉の役割を拡大することもできる。州の配分モデルは,学内全体にわたって影響をもたらす。たとえば大学は,学内の配分で州の配分モデルをどの程度踏襲し,あるいは修正するかを決定することになる。成果連動配分をめぐっては,今日でもなお議論が続いている。しかし,ヨーロッパでは以前の配分方式への巻き戻しはなくなった。資金配分モデルは,包括的なガバナンスの種々の脈絡の一部として理解すべきであり,制度の設計にあたっては,そこにおける相互依存関係を勘案すべきである。

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