抄録
社会の急速な情報化は人々の生活を質的に変化させている。昨今、ユーザーの潜在的な課題や価値観を明らかにする為に、文化人類学で活用される観察調査をビジネスの場へ積極的に展開する動きも見られる。これに関連し、大学教育でも価値創造に必要な姿勢とスキルを訓練する目的でフィールドサーベイを取り入れるようになってきており、その効果的な実施方法を各大学・科目が模索している。本稿では新たな学生アパートを企画立案するPBLにおいて、フィールドサーベイで重要な姿勢である「ありのままの姿を見る」ことを意識づける教示を3パターンに分け実施し、その後のアイデア発想や価値創出に与える効果を検証し、その有効性を提示する。