抄録
今日、ビジネスのグローバル化に伴い、連結会計や企業合併(M&A)、事業部門の譲渡などが日常化している。その結果、情報流通が企業の枠を超えるとともに、従来は日本国内にとどまっていた在庫把握や生産状況把握が世界規模に拡大し、広域情報流通への対応が急務となっている。しかしながら、情報システムの透明性は依然として十分に保証されておらず、情報そのものも野放しのままで管理されていない。その結果、そもそも何をどの単位で情報流通させればよいか、といったレベルでの確認すらおぼつかない状況にある本稿では、データモデルの役割の変遷を振り返った上で、情報システムの透明性を担保し情報の流通を保証する手段としてセマンティック・データモデルを位置づけ、その上で、それを遂行する上でのプログラムマネジメントの重要性を検討する。最後に、広域情報流通を実践している先進企業事例を紹介し、そこにどのような形でプログラムマネジメントが適応されているかを概観する。