日立アカデミーでは、新型コロナウィルス感染症の影響を受けた状況下において、場所や時間に制約の少ない研修スタイルを採用し、「学びを止めない」人財育成を提供してきた。さらに、受講者の深い学びを実現するために、事前の個人学習と、受講当日のリモート環境からのオンライン受講を効果的に組み合わせたハイブリッド型研修スタイルの提供と推進を行っている。このアプローチは、日立グループ内のプロジェクトマネージャ育成教育にも採用され、成果を挙げている。プロジェクトマネージャには、PMBOKガイドに示される表出能力としてのスキルや能力のみならず、潜在能力および保有能力、性格、行動特性などのコンピテンスが求められる。確実かつ早期に、そして継続的にプロジェクトマネージャ育成を行うためには、職場でのOJTだけでなく、研修などのOff-JTが不可欠である。そこで、International Project Management Associationが発行するIndividual Competence Baseline Ver.4.0と照らし合わせて、プロジェクトマネージャ育成教育が提供するコンピテンス学習の効果を確認した。本論文では、これらの実践内容を、P2M(プログラム&プロジェクトマネジメント)プログラムマネジメントの基本概念に照らし合わせ、プログラム統合、プログラム戦略マネジメントの観点で考察する。
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