抄録
多くの企業におけるPLM実装の現状は、PLMベンダ提供のPDMや3D-CADなどのツール導入による部分的な業務改善のレベルでしかない。PLMの目的は、製品ライフサイクルを俯瞰的に見た上で全体最適化による企業付加価値の増大である。全体最適化は、個々の業務効率化の積み上げでなく業務プロセス全体の業務改革なくして実現はできない。製品ライフサイクルの対象は商品企画完了以降の業務プロセスを対象とするのではなく製品戦略立案時点からの視点が必要である。製品戦略は、企業ビジョンを実現するためのものであり、これを実現するための全体業務プロセスの抜本的見直し=業務改革が不可欠である。業務改革を主体としたPLM構築について提言する。