抄録
ソリューション志向型研究(以下、簡単にソリューション研究と呼ぶ)は、従来のディシプリン研究とは異なり、1)シーズ依存型ではなくニーズ(社会課題)駆動型であり、2)領域閉鎖的ではなく学際的、業際的、国際的であり、3)単独試行あるいは自律分散的ではなく組織試行であり、4)分析的であるだけではなく同時に統合的であることが要求され、また5)相対的には独創性も重要であるが、何にも増して有用性が重視される。従って、ソリューション研究とは、プロジェクト的性格が濃厚である。本論では、現在進行形のソリューション研究を例に引きながら、社会課題を如何に設定するか、など諸々の特有の局面に対するアプローチ法を考察する。