抄録
本論ではエンジニアリング振興協会がまとめた海外建設プロジェクトのトラブル事例集を用いてトラブルの発生仕組みを特定し、トラブルに対応する手法について検討を加えるものである。具体的には、IDEF0図で記述したプロジェクト業務の基準プロセスの要素の変化により、アクティビティを実行できなくなることをトラブルの発生と認知し、トラブルを起こす要素をトラブル要因として抽出する。さらに、そのトラブル要因等の連結性により、トラブル要因の業務プロセスに影響を与える仕組みをモデル化することで、トラブルの顕在・潜在的な要因を特定し、総合的な対応手法の開発を行う。最後に、現時代状況に合わせ、事例集の既往対応策の展開すべき点についても提案する。