抄録
プロジェクトのリスクマネジメントではこれまでリスク回避ないしはリスク最小化のバックワード的視点から手法が検討されてきた。プロジェクトへの資金供給側である金融業界では、リーマン・ショック以降、経営破綻、経営悪化のリスクにさらされて、リスクマネジマントの重要性が高まった。そこで従来にないフォワードルッキング的視点から、事業を遂行上金融機関が受容できるリスク(リスクアペタイト)のフレームワークが提案され、わが国においても大手銀行を中心に導入されている。
本研究では、P2M におけるプロジェクトリスクマネジメントに、リスクを許容する視点からリスクアペタイトフレームワークを提示する。