SWOT分析は、導入からかなりの年月が経過しているが国内外で人気のある経営分析手法である。また、P2M手法においても、同手法を紹介する主要な文献に記載されているように、戦略策定の基本ツールのひとつに位置付けられている。しかしながら、SWOT分析に関しては、実務の場でも学究的にもその問題点や課題が数多く指摘されている。そこで、本論文では、P2M学会で発表された論文を手始めに、SWOT分析の問題点・課題を実例で分析した。そうした分析に基づいて、P2M手法を活用した企業や政府の戦略策定を行う際の効果的なSWOT分析の活用法についての提案を導出した。それらは、1)SWOT分析の対象をできるだけ、明確な組織体とする、2)そのうえでSWOT分析においてはできるだけ正確かつ客観的な情報を活用する、3)できるだけ論理的に戦略の抽出を行う、の3点である。