2019 年 44 巻 1 号 p. 53-62
本田技研工業(株)の創業者である本田宗一郎氏の「レースは走る実験室」「レースをやらなければ日本の車は良くならない…」という熱い想いから鈴鹿サーキットは誕生した。サーキットでは、車やバイクの限界性能まで突き詰めることでしか得られない『技術』が生まれる。しかし、テストを行うのはいつの時代も生身の人間であり、限界を超えてしまったときに、その被害を最小限に食い止めることは常に最重要課題であり続けている。そして、そこで培われた技術が市販車にフィードバックされることで、乗員の安全性を高めていく。本紹介では、「走る実験室」という使命のもと、たゆまず施設の安全性を高めてきた鈴鹿サーキットの安全対策について、その一部を紹介する。