伊那谷自然史論集
Online ISSN : 2424-239X
Print ISSN : 1345-3483
木曽駒ヶ岳 千畳敷における1981年から2010年までの気温の変化について
足助 武彦
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2011 年 12 巻 p. 1-6

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抄録

日本の平均気温が100年あたりでおよそ1.1℃の割合で上昇しているという.この根拠となるのは日本の17地点の観測結果による.本稿で取り上げる「飯田」もこの観測地点の1つである.飯田では100年あたりでおよそ1.2℃の年平均気温の上昇が見られるが,これは一様に変化するのではなくある時期を境に階段状に上昇している.本稿ではこのような「温暖化」が山岳地域ではどのように現れているのかを明らかにしようとした.木曽駒ヶ岳の千畳敷において観測された1981年から2010年までの気温を解析すると,1991年〜2000年において著しい気温の上昇が見られた.また,この変化は平地における変化よりも大きな変動幅を持っている.また,日最高気温と日最低気温についてみると「飯田」では最高気温,最低気温とも上昇傾向があるのに対して「千畳敷」では最高気温の上昇が顕著である.

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© 2011 飯田市美術博物館
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