伊那谷自然史論集
Online ISSN : 2424-239X
Print ISSN : 1345-3483
伊那谷断層帯南部周辺域の断層と地すべり・崩壊地形との関連性
杉山 圭
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2014 年 15 巻 p. 19-42

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抄録

木曽山脈と伊那盆地の境界線沿いを走る伊那谷断層帯の南部周辺域において, 断層と地すべり・崩壊地形との関連性を明らかにすることを目的に調査を行なった. まず, 数値標高モデル (DEM) や空中写真を用いた地形判読により, 地すべり・崩壊地形を判別し, 現地調査でそれらの典型地形や露頭を観察した. そして, DEMや活断層地質図を用いて, 地形・地質解析を行なった. その結果, 以下のことが明らかとなった.  研究域における地すべり・崩壊地形の多くは山脈域斜面および南部の盆地域丘陵に分布し, 断層活動や河川による開析によって形成された地形的環境と深く関連している. そして, 断層破砕帯と関連し,断層から200-300m範囲内において発生率が高い. また, 地すべりと崩壊の地形的特性 (規模, 傾斜等) に違いが見られ, 移動様式別に各々タイプが分けられる. 作製した地すべり・崩壊地形分布図は従来のものよりも高精度であり, ハザードマップ等の防災対策に利用できる.

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© 2014 飯田市美術博物館
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