情報通信政策レビュー
Online ISSN : 2435-6921
学術論文
日本におけるブロードバンド利用
―知識と活用に関する格差の影響―
秋吉 美都土屋 大洋佐野 貴子
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2013 年 6 巻 p. E65-E100

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抄録
本稿は、現在日本で見られるブロードバンドの普及および利用のプロセスを、理論的および実証的に研究したものである。日本ではネットワーク基盤が非常に整っているにもかかわらず、なぜブロードバンドの利用が停滞しているのか。本稿は、インターネットと社会成層に関する先行研究、特に文化資本に焦点をあてた研究を踏まえて、日本のブロードバンド/インターネットに見られる利用格差の主たる要因を特定しようとするものである。そのためのデータとして、3,571人を対象に独自に実施したオンラインのアンケート調査を用い、分析を行った。その結果、高いレベルの文化資本を有する人は、多様なデバイスやサービスを幅広く利用することで、ブロードバンド技術を最大限に活用しているのに対し、限られた文化資本しか有さない人は、新しいブロードバンド向けアプリケーションに関する情報が少ないことが明らかになった。
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© 2013 総務省情報通信政策研究所
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