抄録
《仕切り、囲まれ、見つめられる》と題して、『知覚の扉』豊田市美術館(2010年1月9日[土]〜3月28日[日])、『知覚の扉II』喜楽亭(2010年2月20日[土]〜3月14日[日])で発表した2つの作品をとおして、光と色による「空間分節と場の変容」という研究テーマを基軸に展開している活動を報告する。美術大学を卒業後、大学で学んだ日本画を足場にしながら、既存の場所を環境との関わりにおいて作品化することを試みている。絵画や彫刻のように作者の行為の痕跡として作品化するというよりも、鑑賞者に純粋な視覚体験を生じさせる「装置」として機能させることで作品化することを主眼に置いている。光と色による「空間分節と場の変容」によって、「装置」としての作品の成立を試みているか明らかにしたい。