環境芸術
Online ISSN : 2432-1990
Print ISSN : 2185-4483
気泡と音響を用いたインタラクティブアート : インタラクティブアートとインターフェイスの新たな可能性
松村 誠一郎鈴木 太朗荒川 忠一伊藤 隆道
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2002 年 2 巻 p. 29-36

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抄録
本論は、2001年〜2002年に制作、東京大学と東京芸術大学において発表されたインタラクティブアート作品《Water Canvas with Ears》と《Liquid Sculpture》の紹介を通して、新しい表現のための素材として気泡と音響を用いた作品事例と方法論について述べる。両作品は自然現象である気泡の動きを生かした視覚情報を提示すると同時に、聴覚情報である音響を作品の表現要素に用いている。作品の制御はコンピュータで行なっており、作品に対する鑑賞者の入力によって、作品が反応して動作するインタラクティブな機能を実現している。《Water Canvas with Ears》は薄型水槽内で空気の気泡によって平面的な模様を表現し、鑑賞者はキーボード入力の他に音響要素を入力に用いて気泡の動きをコントロールすることができる。《Liquid Sculpture》は円柱型水槽内で気泡による立体的な造形を表現し、気泡の動きと連動した複数スピーカーからの音響出力により空間的な聴覚情報の表現を行なう。センサーが検知する鑑賞者の身体動作が、気泡をコントロールするための入力に用いられる。気泡と音響がもたらす独自の複合的な視聴覚環境に鑑賞者が身を置き、行動をすることによって作品を体験する。
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© 2002 環境芸術学会
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