抄録
筆者は前の論文に於て、多相同期電動機の烈しき亂調を起せる場合について論じた.今其電磁的た輕き亂調を起せる場合について論じ、彼此相比較した。電磁的に輕き亂調とは、r.p.m.變化の大小について云へるに非ずして、亂調による鎖交磁力線の減少度少き場合のかそ亂調を云ふ。かくの如き亂調の時、其r.p.m.變化度と其流入電流増加度との間の關係を調べた。即ち、不足勵磁に於てはがいして烈しき亂調の時と同じく、磁化曲線と同形をなす。而て、充分過勵磁に於ては、其は同形なれども別箇の傾きをとる。即ち、勵磁を漸次増大し行かんかr.p.m.變化度と流入電流増加度との關係を示す曲線は、一方の曲線より次の曲線に渡り、一環状をなす、尚ほ、亂調による相角の振動につぎても、烈しき場合と輕き場合とを比較した。以上の實験結果に説明と結論とをも與へた。
