電氣學會雜誌
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放電の研究(第一報)(1)
鳥山 四男
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1928 年 48 巻 478 号 p. 523-540

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抄録
特別な尖端電極を用ひ放電のpolarity effectを研究し。尖端電端が正極の場合には芒光放電が生ずるが.之が負極の場合には其の尖端にのみコロナが生ずるのみであり。次に此の尖端電極を用ひ電壓電流曲線を求めた。電壓を除々に上昇する時の電流は、同じ電壓に對し、電壓を除々に下げる時の電流より小なり。之は殘留空間及び表面電荷に依るものらしい。
次に針状電極と板状電壓との間に色々の絶縁物を挿入し電壓、電流を求めた。此場合は前の尖端電極の時と異り、電壓を上昇する時の方が降下する時の電流より大である.而して表面に電荷が多く殘留すればする程、此等の電流の差が甚だしい。特にエボナイトを用ひた場合は殘留表面 荷の影響が大てある。絶線物の表面に一度針状電極と同じ附號の電荷が溜ると、針状電極の近くの電位傾度が小となりコロナが消へて電流が小となる。然し或る一定時間を經過すれば表面電荷が減少するので再び電位傾度が大となり、從つてコロナが生じ電流が増加す。斯の如き理由により8-10秒の周期を有する電流の振動をなす。同時にコロナも同じ周期で明滅する。
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