電氣學會雜誌
Online ISSN : 2187-6797
Print ISSN : 0020-2878
ISSN-L : 0020-2878
船舶のデイーゼル電気推進に就て
多田 文秋
著者情報
ジャーナル フリー

1929 年 49 巻 488 号 p. 349-368

詳細
抄録

船舶推進の原動力は往復蒸汽機關よりタルビンに移り、タルビン船が全盛を極め居るも、最近蒸汽機關より遙に燃料の節約を得る内燃機關の採用となり船舶の建造數は著しき比例を以て蒸汽船を壓倒しつゝあり、只内燃機關、殊に其の實用せられつゝあるヂーゼル機關は大馬力のものゝ製造困難なると其重量の大なる關係より大なる力を要する船舶、即大速力を要する船舶には未だ其採用を見ざるも、既に獨乙にては其設計製作を終れるものもあり、畢意其現出は時機の問題に過ぎず、然るに一方米國にては其原動機と推進機との中間動力運輸用及速度調整用として電氣を採用し、ターボ電氣推進が非常に發展し來りしも、ヂーゼル機關の進展に件ひ再轉してヂーゼル電氣推進の急速發展を見るに至り、米國の如き特殊の船舶を必要とする國柄にありては一層ヂーゼル電氣推進の實用範圍を増加し種々の方面より其利益ある點の着目せらるゝに至り、將來はかゝる特殊船舶のみに留まらず、必らず一般の船舶にも此ヂーゼル電氣推進が實用せらるゝに至るべき理由を説きたるものなり。

著者関連情報
© 電気学会
前の記事 次の記事
feedback
Top