電氣學會雜誌
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室内音響現象の研究(一)
室内一點に於ける音響状態の理論
平山 晃
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1932 年 52 巻 526 号 p. 398-408

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抄録

三稜の長さ略等しき普通の形の室は,其の大いさ,形に應じて,大小種々の凹凸ある壁面を有する一つの球状室とも見做されるが,此の如き凹凸ある壁面が音波に對して呈する反射樣式は,其の凹凸と音波の波長の,相對的大小の程度によつて異なること明瞭である。
本文は,先づ壁面に二つの極端なる反射樣式を與へた時の,球状室丙の一點に於ける音響勢力密度の時間的變化を示す理論式を,連續音及び衝撃音に對して二三の假定の下に導き,次に中間の反射樣式として所謂完全擴散性反射の場合を論じ,最後に,從來の實驗結果から得られた室の音響的諸性質より考へて,普通の室内の一點に於ける音響状態は,此の完全擴散性壁面を有する球状室内の對應する一點の音響状態によつて略置換し得ることを確め,更に,此の新理論式と著者の實驗結果との比較研究を試みたものである。

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