電氣學會雜誌
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架空送電線上の氷雪剥脱に依る弛度變化
西山 靜雄
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1932 年 52 巻 528 号 p. 531-535

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抄録

懸垂碍子使用送電線路に於て,不平衡氷雪荷重,特に雪溶時に際して起り易き一張間氷雪剥脱に依る電線の弛度變化を述べ,其の最も普通なる場合,即平地上一直線に走る等張間送電線路に於ける弛度變化を手輕に求むべく研究を進めたもので,次の二段に分つて記述して居る。
1. 數値例
最も手近な所で,日本電氣工藝委員會報告の架空送電線用硬銅撚線の七種及50萬C. M. ACSRの諸線を撰び,電氣工作物規程に從つて(最低源度-20°Cに取り)架空線の設計を行ひ,此送電線路が0°Cの温度に持來らされた時,均一に附着せる氷雪が一張間のみに於て剥脱した場合に於ける弛度變化を計算して,此値を張間,碍子長,氷雪厚に對する曲線圖として表はした。
之等曲線圖に依り,碍子長の弛度變化に及ぼす影響は割合に少く,實質的には碍子長2mの時のみを取扱へば充分である事が分る。
2. 實用曲線圖(Empirical curves)
上記の數値例を統一して實用曲線圖を作製し,無風無雪時の架線状態さへ與へらるれば,氷雪剥脱に依る弛度變化は直ちに其の張間及氷雪荷重/電線自重量に依つて簡單に求め得られる樣にして居る。

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