抄録
單一毛細管内の電氣二重層の状態を檢し,先づ之より電氣滲透速度,電氣滲透量を求めて見た。その結果は從來のHelmholtzの式に對し補正を要する事がわかる。Helmholtzの式では電氣滲透度は管の太さには關係なき事を主張せるも實驗の結果は或る太さの管に於て最大電氣滲透度を與ふる事を示して居るのであつて,著者の得た結果により之を十分明かにする事が出來る。又濃度との關係に就ても考察を加へた。
次に流動電位の算式を求めて見た,その結果は同樣從來一般に用ひられて居る式では不十分で,當然毛細管の太さに關係して來る事が云はれる。