電氣學會雜誌
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飽和曲線,ヒステリシス環線の實驗式に就いて
當 坂薫
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1933 年 53 巻 544 号 p. 1009-1019

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抄録

飽和曲線及びヒステリシフ環線の方程式郭ち磁性を簡單に表す方法を述べたもので,一般に使用されて居る磁氣材質に就ては單に,最大導磁率に相當する磁束密度beta;sμm,及び最大のDifferential permeabilityの起る點H1[最大の保磁力H1(H1=∞)と同じ]を知れば容易に飽和曲線,ヒステリシス環線の方程式,及びヒステリシス損を比較的簡單な代數式で表せる事を示したものである。又一般の強磁性體の方程式を知る爲に,(1)緒言に於て飽和曲線の方程式が分れば,任意のヒステリシス環線の方程式はこれを基準にして求められることを述べ,(2)では實驗式導出に必要な磁性體の基礎性質を記し(3)では一般の磁性を表す最も簡單で且つ取扱ひの容易な方程式を示し,(4)及び(5)では一般式が飽和曲線を,(6)ではヒステリシス環線を表す爲に一般式の諸定數間に必要な關係及び數量を決定し(7)では茲に提案した實驗式の性質邸ち,βの代りに2.5βsμmを用ふる譯を述べ,Hmとβsm, Hc, Br, W, β, H1,との相互關係を表す式を作り,其の結果と公表されて居る實驗結果及び芝浦製作所研究所で實驗した結果とを比較對照して實驗式の信頼度を調べ(8)で其の結果を綜合したものである。

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