抄録
アルミニウムセル避雷器は,進行波電壓に對して如何なる動作を爲すかを實驗的に研究した結果を述べたものである。初めにアルミニウムセル,進行波發生裝置並に發生せる進行波電壓波形に就て述べ,次にアルミニウムセルが,種々の波頭峻度を有する進行波電壓を受けたときの,ダイナミック特性曲線,端子電壓及び放電々流波形等の實驗結果を列擧し,電極面積が放電特性に及ぼす影響に論及し,セルの端子電壓と抵抗の關係を述べ,放電々流と端子電壓との關係式を求め,最後にアルミニウム避雷器の放電も破裂放電なれども,極めて小なる放電が無數に生ずる點に於て,他の避雷器とは,著しく異る放電特性を有し,衝撃波電壓に對しても,避雷器として優秀なる動作を爲すことを述べてある。