電氣學會雜誌
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鐵道車輛に起る蛇行運動の理論
前橋 俊一
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1935 年 55 巻 563 号 p. 547-551

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抄録
踏面に勾配を有する單軸車輪が,直線軌條上を自由走行する場合に起る蛇行運動の反覆距離Xは,r1,r2を左右兩輪夫々の平均動作半徑,n1,n2を同じく夫々の平均踏面勾配,Dを左右兩輪の軌條に接觸する默の平均間隔とすれば,
x=2πr1+r2/2√D/n2r1+n1r2
を以て表すことが出來る。
輪軸距離の固定せられた二軸車輪が,自由走行する場合にも,之に準じた反覆距離を有する蛇行運動を發生するものであるが,特に此の場合は,車輪は多少共軌條面を滑動しなければならない。而して,其の蛇行運動の反覆距離を近似的に表せば,
X=2π√γD/2n
茲にrは車軸の中心を軌道の中心線上に置き,車軸の方向を軌道に對して直角となしたる場合の軌條接觸に於ける車輪の半徑,nは車輪の踏面勾配,Dは軌間を示すものである。
以上のことを理論的に導き,併せて滑動の發生する理由を説述し,それを實例に當て嵌めて解説してある。
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