電氣學會雜誌
Online ISSN : 2187-6797
Print ISSN : 0020-2878
ISSN-L : 0020-2878
電子の供給豊富なる間隙の火花成立の理論
鈴木 松雄
著者情報
ジャーナル フリー

1936 年 56 巻 576 号 p. 807-816

詳細
抄録

電子を相當豊富に供給すると,空氣間隙の直流火花電壓が低下する。其の實驗的結果は既に報告したが,本論文に於ては如何なる理由に依り,かゝる火花電壓の低下を生ずるかを考究し,平行板間隙に就き,陰極に供給された電子量が大となるに從ひ,どの程度の火花電壓の低下があるかを理論的に計算した。そして其の計算した結果が大體に於てよく實驗結果を説明出來る事を示した。
即ち供給電子量の多い場合には正イオンの空間電荷に依る電界の亂れに依り,間隙の電壓電流特性曲線が普通火花電壓よりずつと低い電壓で既に下降性となり,火花成立は其の不安定に依る跳躍現象と解せられる。

著者関連情報
© 電気学会
前の記事 次の記事
feedback
Top