1937 年 57 巻 586 号 p. 352-361
昭和11年6月19日北海道に於ける皆既日食に際して北海道岩見澤町に出張して,電離圈に對する日食の影響に關して觀測を行つた結果に就て述べてある。測定は周知のインパルス法に依り且つ其の周波數を自動連續的に變化せしめ,電離圈の各層の見掛の高さ及び臨界突抜周波數の變化を檢するものであつて,其の結果F1層に對する日食の影響が最も顯著に觀測せられ,F2層及び異常E層に關しては其の出現並に消失,及び變化の状態等は明瞭に記録し得たが,日食の影響に關しては餘り明瞭でなかつた。E層は測定期間中異常E層しが頻繁に存在した爲に遂に記録する事が不可能であつた。