抄録
照明学会がカバーする技術領域に, 視覚心理や, 視環境, 視覚情報などに関連する計測評価技術がある. 近年の高度情報化のトレンドとディスプレイデバイス技術の進歩は, 評価技術にも変化をもたらしている. 多色表示像の視認性, 照明光下のパネル型表示装置の視認性, コヒーレンシーの高い表示光と視認性, ITSなどに代表されるドライバと表示情報の動的な視認性評価など, 輝度や照度, 色度などの要素だけでは評価しにくい. これらは照明技術と他の学問領域との境界領域である場合もあるし, 新デバイスの登場による新しい観点の考察が望まれる場合もある. 本報告では, 「視覚ディスプレイと照明·視環境シンポジウム」の入口として, 上述した計測技術領域での問題点といくつかの具体的な事例をもとに新たな評価視点の必要性について色相別空間周波数特性とHUD表示等の事例を述べる.