照明学会 全国大会講演論文集
平成14年度(第35回)照明学会 全国大会講演論文集
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郡上八幡スポーツセンターの照明
最上 淳司野中 康司黒川 哲郎
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キーワード: スポーツ, ドーム, 投光照明
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p. 77

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抄録

1. 施設概要
郡上の産業だった養蚕の繭(まゆ)の形をドーム屋根のデザインに採用した同センターは地下1階、地上2階建てである。健康づくりを通じた町民憩いの施設として、平成13年5月に完成した。鉄筋コンクリート一部木造、延べ床面積約6,300m2の規模を有する。施設内の1階は各ルームがガラスで仕切られており、水中をイメージする青色を基調とした開放的な空間となっている。エアロバイクなど27基のマシンや器具を備えたトレーニングルームをはじめ、25mの温水プール、エクササイズスタジオ、大小のセミナールームなどが設けられている。
2階の柔剣道場を含むアリーナの天井は、樹齢約300年の天然ヒノキの丸太600本が特殊工法で組まれている。また、施設がだ円形のため、コート外で余ったスペースを軽スポーツにも利用できるように配慮し、アリーナ周囲には1周200メートルのランニングコースも整備されている。
2. アリーナの照明設備
アリーナは、多目的な競技種目や利用形態に対応するよう、点灯パターンを制御してJISの基準照度を満たす設計としている。点灯パターン、エリア、及び設計照度を表1に示す。
照明器具の配置は、アリーナの南北に位置するスチール梁のアーチ2列に投光器を設置し、サイド配置による投光照明を行った。各競技種目の設計照度を満足させるために、1kwメタルハライドランプ角形投光器64灯を使用した。また、天井のトラスアーチに使用している天然ヒノキの丸太のライトアップ、及びギャラリーには400wメタルハライドランプ角形投光器灯を8灯使用して、空間全体を明るくしている。
3. 1F各ルーム及びプールの照明設備
1F各ルームは、天井全面にポリカーボネート製の波板と青色の平板を組み合わせて張り、スリットに蛍光灯をいれて間接照明を行うことで、水の波紋を見上げるような雰囲気を創っている。設計照度は300∼400(1x)としている。
プールは、プールサイドから400wメタルハライドランプ角形投光器灯18灯を天井面へ照射し、間接光による柔らかい光で照明を行い、同時にグレアを考慮した。全体で100(1x)の設計である。また、プールサイドギャラリーは、休憩施設があるため肌の色の見え方を考慮して、250w高演色形メタルハライドランプの特注ブラケットを使用している。

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