照明学会 全国大会講演論文集
平成15年度(第36回)照明学会 全国大会講演論文集
セッションID: 146
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黄色蛍光灯による「エンドウ」に飛来するヤガ類の防除
*飯田 和久福嶋 総子
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抄録
ヤガ類の害虫は、夜間「エンドウ」等の作物に飛来し、産卵する。この卵からふ化した幼虫が葉を食い荒らし、収穫量の減少を引き起こす。農薬による防除は、環境への影響が問題視されている。そのための新しい防除法として黄色蛍光灯を使用しヤガ類の防除に効果を上げたので報告する。一つのガラス温室を2つに区切り、照明器具を点灯する黄色蛍光灯区と、点灯しない無処理区に分けた。「エンドウ」(品種 紀州ウスイ)を平成14年9月20日に播種し、農家の慣行に従って栽培した。照明試験は平成14年9月10日から11月15日まで継続した。各区幼虫数および被害株数を調査した。照明試験期間中、ヤガ類の幼虫数は黄色蛍光灯区は、無処理区に対して5分の1以下に抑えられた。被害株率も10%以下で推移し、無処理区は、最大77%に及んだ。農薬を完全に止めることができなかったが、黄色蛍光灯区は、農薬散布回数を減らすことができた。光より開花時期が約1ヶ月早くなるという現象が生じたが、実用上は問題がないレベルと考えられる。
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© 2003 照明学会
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