抄録
メタルハライドランプの無水銀化を実現するために、ランプ内封入物質の発光スペクトルの空間分布の解明が重要となっている。しかし、水平点灯高圧ランプではアーク形状が軸対称とならないため、アーベル変換法を用いることができない。そこで我々は、メタルハライドランプの分光分布を測定しCT法を用いてランプ内分光分布の断層像の構成を行った。
測定した発光スペクトルより、特徴的な波長に着目し、波長ごと発光断層像を構成し、空間分布の比較を行った。In (450.87 nm)とNa (818.92 nm)の発光断層像を比較したところ、Inの発光のほうがアーク中心に集中していることが確認された。これは、InはNaに比べて原子半径が大きいため、拡散が抑制されることが一因であると推測される。