移動物体検出は動画像処理において重要な技術の一つであり，検出の結果がその後の処理に影響を与える．従って，動画像の中から安定に物体を抽出することが必要になる．背景差分法は，移動物体を検出する効果的な手法としてよく利用されている．しかし，この手法は処理アルゴリズムは単純であるが，濃度値の変化の影響を受けやすいという問題点がある．本稿では，正規化相関照合を利用した移動物体検出手法を提案する．正規化相関照合は，濃度値の変化にロバストであることから，動画像中の明るさの変化に対して安定な検出が実現できると考えられる．更に，照合結果の統合処理を行うことで，更に安定な検出を実現する．実験の結果，提案手法は明るさの変化の影響を受けずに，安定な移動物体検出が可能であった．
