2008 年 37 巻 5 号 p. 609-616
母体血の顕微鏡観察画像から,胎児由来の有核赤血球(NRBCs)を自動的に 検出するシステムについて提案する.本提案では,細胞と核の面積,その比率,円形度,および色情報を利用してNRBCsの自動判別を行う.また,スライドグラス全範囲を高倍率で撮影した非常に広い領域を探索するため,対象領域を限定して計算量を抑えた検出をすることで高速化を図った.本システムにより,長時間かけた目視検出と同等の検出数が得られ,かつ,好中球やリンパ球,ゴミや影がある赤血球などを排除し,偽陽性の比率を低く抑えられることが確認できた.