2008 年 37 巻 5 号 p. 628-636
本稿では,画像間の微小な倍率変化を高精度に検出するための新たな手法を 提案する.倍率検出には極座標化した振幅スペクトル同士の位置ずれを検出し倍率へ換算することを基本としているが,前処理,極座標化振幅 スペクトルの作成およびずれ量検出に使用する周波数について誤差要因を分析し,それにより求めた最適な検出条件を求めることにより,高い精度の検出を 可能にしている.実験には特徴の異なる典型的な4種類のパターンの基準画像と 検査画像を用い,高い検出精度が得られることを明らかにするとともに,パターン依存性,検出誤差の周期変化の存在,および雑音の影響を明らかにした.また,従来手法を同じパターン画像に適用し,その結果と提案手法による 結果を比較することにより,提案手法の有効性を明らかにした.