抄録
誤差拡散法による擬似中間調法は画品質が良く,白黒だけでなく中間レベルを含む数階調の出力が可能な場合に対しては多値の誤差拡散法に拡張できる. しかし,入力画素値が中間量子化レベル近傍で著しく画質劣化する問題があった. 改善策もいくつか提案されているが,従来法はいずれも処理が複雑になるとともに必ずしも合理的ではなかった. ここでは3値誤差拡散法の改善について検討し,中間量子化レベル近傍でも白黒画素を混在させることが必要であることを示すとともに, 3値誤差拡散法について,量子化条件を制限することによりこれを実現する方法を提案する. 更に,この制限を入力画素値が中間量子化レベル近傍にある場合に限定することで画品質が向上することを示す.