抄録
本稿では複比を用い単眼視点画像中の実物体画像面から物体モデル面および複合現実感(MR)空間中の仮想物体面へ直接テクスチャマッピングする新規な手法を提案する.扱う物体面は任意の凸状四角形によって構成され,提案するテクスチャマッピングは面を構成する4頂点の座標と対辺の交点座標のみを使って実現できる.透視投影変換を介さないため実画像および仮想物体映像の画像入力条件の推定は不要である.このため,提案手法は原理と処理方法が非常に簡素であり,誤差も小さい特長を有する.また,実画像を用いた実験により提案手法が極めて有効であることを示す.