免疫システム型GAと山登り飛び虫法に基づく複数画像領域の検出

抄録

組み合わせ最適化問題に対して唯一の局所解を検出するのに有効なアルゴリズムとして，遺伝的アルゴリズム(GA)が提案されている．その一方で，複数の局所解探索に適するという優れた性質を持つ手法として免疫システムというものが存在する．この免疫システムは近年GAと融合する試みが行われており，局所解探索に適した免疫システム型GAを正規化相関によるマッチングに適用する手法が提案されている．しかしながら，この免疫システム型GAは，進化の世代の長さによっては唯一の大局解に収束してしまうという現象が起こる．本論文では，個体の多様性を保ちつつ近傍探索を行うために，従来の免疫システム型GAに山登り飛び虫法を組み合わせた手法を提案する．プリント基板上の部品などを探索する実験により，提案手法は従来の免疫システム型GAと比較して，約1.2倍の検出率で複数画像領域の探索を行うことが可能であることを示した．