画像電子学会誌
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論文
見かけ特徴の組み合わせと距離尺度の学習を用いた3次元形状類似検索
古屋 貴彦大渕 竜太郎
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2013 年 42 巻 4 号 p. 438-447

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抄録
既存の3次元形状類似検索手法の多くは,限定的な種類の形状(例えば,剛体機械部品のCADモデル)が限定的な形状表現法(単連結の閉じたメッシュなど)で表現されていることを想定している.しかし,3 次元モデルの急増と多様化に伴い,複数の形状表現で定義され,多様な形状をもつ3次元モデルを対象とした3次元モデル検索システムへの要求が高まってきた.我々が先に提案した,3次元モデルを多視点からの見かけで比較する手法は,姿勢変化(関節の屈曲等)に対し不変で,幅広い形状表現を扱うことができる.同手法は,3 次元モデルを多視点でレンダリングし,その画像群から顕著点に基づく画像の局所特徴を抽出して形を比較する.評価の結果,同手法は,姿勢変化を許した3次元モデル群に対して良い検索精度を示したが,反面,姿勢変化がなく,複雑な形をもつモデル群の検索精度が低かった.本論文では,先行研究を元に,姿勢変化に対する不変性を備えつつ,多種の形状を精度よく検索できる手法を目指す.提案手法は,多視点レンダリング画像から密に抽出した多数の局所特徴で,形状を比較する.また,大域的な形状特徴を補うため,見かけの大域特徴を併用する.さらに,距離空間の学習により,特徴分布を考慮した距離比較を行う.複数の標準ベンチマークや3次元モデル検索コンテストによる評価実験の結果,提案手法は従来法より高い検索精度を示した.
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© 2013 一般社団法人 画像電子学会
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