近年,距離画像センサを移動させて取得した点群を統合し,オブジェクトの認識やモデリングを行う研究が盛んである.点群を統合するレジストレーションとして,精度は落ちるが計算量の少ない対応点ベース方式や,膨大な計算量を必要とするが精度の良いICP(Iterative Closest Point)アルゴリズム方式がある.対応点ベース方式は特徴点マッチングによって点群の対応を推定するため,その精度は特徴点の位置座標や特徴点マッチングに依存する.ICPアルゴリズムは,点群の間隔が広くなるに伴って計算量が増加する.本論文では,連接点群間の3次元動きベクトルを推定し,これを用いることで両方の方式を改善したレジストレーション方式を提案する.提案方式は従来方式と比較して,少ない計算量で同等の精度のレジストレーションを行えることを実験により確認した.