2015 年 44 巻 4 号 p. 637-643
画像認識,画像解析など幅広い研究分野において,画像の色特徴を適切に解析できる技術が望まれている.本論文では人間の高次元色知覚特性の一つである基本色カテゴリの概念を導入することで,自然画像から少数のドミナントカラーを自動抽出する手法を提案する.そのために,まず画素値をクラスタリングすることで,多めのドミナントカラー候補を抽出する.次に,ドミナントカラー候補から,低彩度の色や画像空間上でまとまった領域を形成せず,目立たない色を削減する.さらに,基本色カテゴリを用いて人間が類似していると感じる色同士を統合していくことで,最終的なドミナントカラーを選定する.最後に,従来の代表的なドミナントカラー抽出方法と比較することで,本手法の有効性を示す.