2025 年 54 巻 1 号 p. 147-156
3次元点群は,LiDAR等の機材によって物体形状を3次元空間上の点の集合として表現する.複数方向から取得したデータの一括した活用には点群間のレジストレーションが必要だが,重複箇所が少ない場合,重複箇所の特定が必要となる.重複箇所を踏まえたレジストレーション手法は複数あるが,点群の特徴に応じた最適化は困難である.本論文では,高精度かつ高速にレジストレーション可能な手法の確立を目指し,SVP(Super Voxel Patch)を用いてパッチ選択に制約を与えた遺伝的アルゴリズムによるレジストレーション手法を提案した.実験の結果,先行研究では局所解に陥り適切な位置合わせができなかったBunnyの3次元点群間のレジストレーションにおいても平均並進誤差が0.05[cm],平均回転誤差が0.26[deg] の高いレジストレーション精度であることを確認した.