International Journal of Myeloma
Online ISSN : 2187-3143
CASE REPORT
ボルテゾミブ,レナリドミド抵抗性の初発多発性骨髄腫に対してカルフィルゾミブによる再寛解導入,自家末梢血幹細胞移植およびカルフィルゾミブ維持によって長期寛解を維持している3例
横尾 眞子近藤 誠司岡本 翔佐野 晴彦佐野 遥菜久富 崇権藤 久司飯野 忠史
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2021 年 11 巻 3 号 p. 10-15

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抄録

ボルテゾミブ(BOR)/レナリドミド(LEN)/デキサメサゾン(DEX)は,移植適応のある初発多発性骨髄腫(MM)において,標準治療の一つである。BOR/LEN抵抗性初発MMは稀であり,その後の治療は明らかではない。われわれは,移植適応のあるBOR/LEN抵抗性初発MM3症例を経験した。2016年カルフィルゾミブ(CFZ)が国内承認されたため CFZ/LEN/ DEXによる再寛解導入,自家末梢血幹細胞移植(PBSCT)を併用した大量化学療法を施行し,全例に寛解を得た。CFZ/LEN/DEXおよびCFZ/DEX長期維持を施行し,現在まで特記すべき有害事象なく全例40ヶ月以上の長期寛解を維持している。少数例の結果ではあるが,BOR/LEN抵抗性初発MM患者に対して,CFZを含むレジメンによる再寛解,PBSCTを併用した大量化学療法,CFZ長期維持は,治療戦略の一つであると思われた。

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© 日本骨髄腫学会
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