ボルテゾミブ(BOR)/レナリドミド(LEN)/デキサメサゾン(DEX)は,移植適応のある初発多発性骨髄腫(MM)において,標準治療の一つである。BOR/LEN抵抗性初発MMは稀であり,その後の治療は明らかではない。われわれは,移植適応のあるBOR/LEN抵抗性初発MM3症例を経験した。2016年カルフィルゾミブ(CFZ)が国内承認されたため CFZ/LEN/ DEXによる再寛解導入,自家末梢血幹細胞移植(PBSCT)を併用した大量化学療法を施行し,全例に寛解を得た。CFZ/LEN/DEXおよびCFZ/DEX長期維持を施行し,現在まで特記すべき有害事象なく全例40ヶ月以上の長期寛解を維持している。少数例の結果ではあるが,BOR/LEN抵抗性初発MM患者に対して,CFZを含むレジメンによる再寛解,PBSCTを併用した大量化学療法,CFZ長期維持は,治療戦略の一つであると思われた。