医科器械学
Online ISSN : 1881-4875
Print ISSN : 0385-440X
鍼通電療法に用いる機器(<特集>慢性疼痛治療における医療機器の現状と展望)
菅原 正秋吉川 恵士有田 英子花岡 一雄
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2005 年 75 巻 3 号 p. 108-113

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抄録
鍼治療は, 紀元前200年頃に中国で体系化された伝統医学である. 現在, 鍼治療には2つの典型的な手法をもとにした様々な種類の診断治療システムがある. その一方は, 「中医学的鍼治療(traditional Chinese acupuncture)」であり, もう一方は「西洋医学的鍼治療(western medical acupuncture)」である. 中医学(traditional Chinese medicine)とは, 「黄帝内経」, 「針灸甲乙経」などの古典書物の理論に基づき, 個々の患者に対応した診断、治療を行うものである. 治療点としては経穴を用い, さらにそこへの刺鍼手技で刺激を与える, これに対して, 西洋医学的鍼治療とは, 診察、検査等の西洋医学的根拠に基づき, その疾患の病態に対応する組織(皮膚、筋、神経、靱帯など)を選択し, 治療点は触診所見を基準とする. この代表的な治療法には低周波鍼通電療法がある. 鍼治療がペインクリニック的療法としての鎮痛の手段に用いられるようになったきっかけは, 1971年, ニューヨークタイムズのレストン記者の中国における見聞を基にした「鍼による麻酔」の報道であった.
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© 2005 一般社団法人日本医療機器学会
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