医療と社会
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特集論文
診療報酬制度による内外価格差縮小の方策
遠藤 久夫
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2009 年 19 巻 1 号 p. 5-13

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抄録

 PTCAカテーテル,ペースメーカー,人工骨などの内外価格差が大きい医療材料に対して平成14年度から内外価格差を縮小する目的で外国価格調整が導入された。外国価格調整とはアメリカ合衆国,イギリス,ドイツ,フランスでの販売価格の平均値を計算し,この値と日本での市場価格を比較して,日本の市場価格が外国平均価格を一定水準超えていれば医療材料の公定価格を強制的に引き下げるという価格設定方式である。外国価格調整は新規収載品だけでなく,既に販売されている製品でも内外価格差が大きいものには適用される。平成14年度,16年度,18年度は日本の市場実勢価格が外国平均価格の2倍以上の医療材料が外国価格調整の対象であったが,20年度は1.7倍以上を対象とし,22年度は1.5倍以上を対象とする予定である。最高の引き下げ率である25%引き下げの対象となる材料区分数は16年度が15区分,18年度が34区分と増加したが,20年度が2区分と減少しており,内外価格差が縮小していることを示唆している。

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© 2009 公益財団法人 医療科学研究所
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