抄録
入院中の児童生徒の実態は、病状や治療等によって様々であり、学習形態も多岐にわたっている。こうした児童生徒のニーズに対応するために、ICT 機器等の活用が推進されている。本稿では、実践報告の少ない仰臥位の状態で入院している児童に対しICT機器等を活用した授業を行い、その有効性について検討することを目的とした。検討する視点として、安価で扱いやすく再現性があることを考慮し考察することとした。仰臥位の状態で頸部を治療(牽引)した状態で登校することによって学習活動に多大な制限のある児童に対し、4つの目的からICT機器等を活用した学習支援を行った。児童の実態からICTを活用することで学習のしやすさが向上し、また他の教員へ質問紙により評価を行った結果から本実践でのICT機器等の活用方法が汎用しやすく再現しやすいことを確認した。本稿でのICT機器等の活用方法が、他の児童生徒の学習の困難さにも効果的であるか検証していくことが今後の課題である。