日本LCA学会研究発表会講演要旨集
第1回日本LCA学会研究発表会(会場:産業技術総合研究所)
セッションID: E2-16
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-座長:近藤 康之・横山 一代-
産業連関法によるLCAにおける環境負荷の上限・下限を与える簡便法
*近藤 康之
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抄録

産業連関表はLCAにおいて広く応用されておりEIO-LCAとも呼ばれているが、そこで用いられる数理モデルは伝統的な産業連関モデルとは異なるものであることが多い。すなわち、Joshi (2000, Journal of Industrial Ecology, vol. 2, no. 2-3) による分類に従えば、「評価対象製品を仮想的新製品と見なすモデル(モデル1)」の方が、伝統的な産業連関モデルに対応する「既存産業部門を分割する(産業部門分類を詳細化する)モデル(モデル2)」よりも広く用いられている。モデル1の方がよく用いられる原因は、モデル2における行部門の分割に必要なデータの入手が困難なことが多い点にもある。しかしながら、モデル1は製品の普及に起因する間接効果を不適切に無視してしまうという欠点を持つ(この種の間接効果は、汎用機器・素材、標準化された部品などについては大きいと考えられる)。本研究においては、シミュレーションによってこの種の間接効果がどの程度大きいかを示す。さらに、精度の低いデータに基づいてモデル1を用いる場合に、環境負荷の上限・下限を与える簡便法を提案する。

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© 2005 日本LCA学会
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