抄録
製品・システムを供給する生産ネットワークの構造は、一般に非常に複雑である。したがって、その構造を理解するためには、生産ネットワークにおける産業ハイアラーキーを抽出して、より簡単な構造のネットワークを可視化することが効果的であると考えられる。これにより、製品・システムの供給に伴う環境負荷が、サプライチェーンの中のどこで概ねどれくらい発生しているかを分かりやすく示すことができるから、例えばGHGプロトコルのスコープ3基準のような、サプライチェーンマネジメントにも活用できる。しかしながら、LCAのための汎用データベースや産業連関表のかたちであらわされる生産ネットワークはループを含むことが多いから、産業ハイアラーキーの抽出手順は必ずしも自明でない。本報告は、構造経路分解法(structural path analysis, SPA)に基づいて産業ハイアラーキーを抽出・可視化する新しい手法を提案し、その応用分析事例を紹介する。