日本統合医療学会誌
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Print ISSN : 2435-5372
報告
大学周辺地域での健康交流会におけるハンドマッサージ―プログラムの有用性および看護学生参加の意義―
山崎 裕美子山本 洋子有田 清子大田 容子大儀 律子中田 登紀江伊藤 明子
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2021 年 14 巻 1 号 p. 45-52

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抄録

大学周辺地域の人々と看護学教員・学生が交流する健康交流会を企画し、月1回・計5回、平日午前90分間で開催した。うち、ハンドマッサージ(HM)プログラムの有用性および看護学生参加の意義について検討した。

対象者は研究に同意し、3・4回目(2016年11~12月)のHM(HM1・HM2)に参加した、各18名・13名であった。HM前後の気分はPOMS2®成人用短縮版を用いて集計し、データの揃った12名分(男3・女9名、平均67.8±9.8歳)を前後比較した。

HM1・2ともにネガティブ気分全5項目が低下し、HM1の「疲労–無気力」「混乱–当惑」およびHM2全5項目で有意に低下した。ポジティブ気分はともに全2項目が上昇、うち「友好」は有意に上昇した。「総合的気分状態(TMD)」はともに有意に低下した。

対象者の感想からは満足感が窺え、地域における健康交流プログラム内容としてのHMの有用性が示唆された。また対象者の看護学生参加の受け入れはよく、参加学生らの交流会以降の学修状況から、教育上の意義が示唆された。

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© 2021 一般社団法人日本統合医療学会
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