日本統合医療学会誌
Online ISSN : 2436-2158
Print ISSN : 2435-5372
報告
岡田式健康法を実践するがん患者の対処行動に関する質的研究
田中 英明神田 康代鈴木 清志片村 宏木村 友昭
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2021 年 14 巻 1 号 p. 53-61

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抄録

目 的:岡田式健康法の実践資格を保持するがん患者の病気に対する認知対処プロセスを明らかにし、どのような結果を得ているか調査する。

方 法:がん患者で、(一社)MOAインターナショナルが提唱する岡田式健康法の実践資格をもつ者のなかから、8名(女性7名)を対象に、首尾一貫感覚(SOC)を測定し、一対一形式のインタビューを合計10回実施した。グランデッドセオリーの手法でインタビューの解析を行った。

結 果:SOCを測定した6名中5名は、一般人の全国平均よりも高い数値を示した。170のコードが生成され、それを15のサブカテゴリーにまとめ、最終的に以下の5つのカテゴリーに分類した:Ⅰ.自身の病気に対する評価、Ⅱ.評価に基づいた対処行動、Ⅲ.周囲からの援助、Ⅳ.自身の病気に対する再評価、Ⅴ.対処行動の結果。

結 語:罹患当初の病に対する不安や恐れはさまざまな対処行動を継続するなかで病気に対する意味付けが変化し、満足感を得ていることが示された。また本研究に参加したがん患者のほとんどで首尾一貫感覚が保たれていた。

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