日本統合医療学会誌
Online ISSN : 2436-2158
Print ISSN : 2435-5372
原著
写真評価者ブラインドによる美顔鍼の効果判定
嶋田 浩増山 祥子山下 仁
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2022 年 15 巻 1 号 p. 17-25

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抄録

目 的:美顔鍼によって、第三者が評価しても顔の印象は良くなるのか検証するため。

方 法:被験者女性43人への美顔鍼施術後に、自己評価と第三者による写真評価を行った。写真評価は施術前後をブラインドした評価者66人が行った。施術後の写真が良く見えると回答した人の割合を仮に「正答率」と呼び、被験者写真全体の「正答率」を、施術前の写真が良く見えると回答した「誤答率」と比較した。

結 果:自己評価では、施術直後に86%、施術3日後に74%の被験者が良くなったと回答した。目元とリフトアップの改善は被験者の半数以上が自覚したが短期的であった。さっぱり感、顔全体の改善、顔色の改善は3日間持続した。写真評価では、全体の印象、肌のツヤ、肌のハリについて「正答率」が「誤答率」よりも有意に高かった。また、女性評価者のほうが、印象、ツヤ、ハリ、タルミの4項目について、男性評価者よりも「正答率」が有意に高かった。効果肯定被験者群の写真の「正答率」は、効果否定被験者群の「正答率」よりも全般的印象について有意に高く、肌のハリについても高い傾向が認められた。

結 論:美顔鍼施術後の顔の印象や部位・状態の一部は、第三者が見ても良くなっていることが示唆された。ただし、全般的印象に関しては被験者の自己評価が表情に反映されている可能性がある。

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