2019 年 51 巻 p. 32-40
本稿は、吉本弥生との共同研究「三島由紀夫『近代能楽集』研究」の一環であり、研究(二)では、『近代能楽集』の数ある戯曲のなかでも「卒塔婆小町」を扱い、佐々木は謡曲篇として『近代能楽集』「卒塔婆小町」が典拠とする能《卒都婆小町》の研究を行い、吉本は戯曲篇として『近代能楽集』「卒塔婆小町」の研究を行う。 近年、研究の広がる冥顕論について、これまで冥・顕の区分を考える際に基準とされてきた大隅和雄の定義について再考し、冥・顕を分ける境界について謡曲《卒都婆小町》から考察する。